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認知心理学
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か
■ 解釈レベル理論(Construal Level Theory:CLT)
関連語: 具体―抽象、how―why、心理的距離、時間的距離、空間的距離、言語カテゴリーモデル
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進化と感情から解き明かす 社会心理学 (有斐閣アルマ)
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心理学研究法5 社会
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イノベーションの消費者行動
■ 活性化拡散理論(Spreading Activation Theory)
き
■ 基準比率の誤謬(Base Rate Fallacy)
■ ギャンブラー錯誤(Gambler's Fallacy)
■ コネクショニスト・モデル(Connectionist Model)
関連語: PDPモデル、ニューラルネットワーク、並列分散処理、計算論的アプローチ、誤差逆伝搬法、シンボルモデル、言語獲得
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ロボットの心-7つの哲学物語 (講談社現代新書)
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やさしいPDPモデルの話―文系読者のためのニューラルネットワーク理論入門
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コネクショニストモデルと心理学―脳のシミュレーションによる心の理解
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高次認知のコネクショニストモデル―ニューラルネットワークと記号的コネクショニズム (認知科学の探究)
く
け
■ 係留ヒューリスティックス(Anchoring Heuristics)
関連語: 自動的処理、ヒューリスティックス、フォールスコンセンサス効果、代表性ヒューリスティック、シミュレーションヒューリスティック
不確実性の中で判断を下すために、係留点を設け、そこから調整することで結論に到達しようと試みる事 ―自己の意見や自己を取り巻く環境は、他者の振る舞いを推定する際の係留点となる(Fong & Markus,1982) →フォールスコンセンサス効果は、係留ヒューリスティックの1つとも言える ―判断対象とは無関係な状況の特徴も係留点となり得る e.g.,最も厳しい判決を考えてから判断すると、量刑判断が重くなる ―属性帰属から状況要因が修正しきれないのも係留の影響 (Quattrone et al., 1982)
係留効果を生じさせる仕組み
―推論において係留点からの調整が十分に行われないため(Epley & Gilovich, 2001) ―係留について活性化される情報が判断対象にどの程度適応可能かに規定される (Mussweiler & Strack, 1999; Strack & Mussweiler, 1997) e.g.,係留点がもっともらしい時、対象があいまいな時に係留点への依存が強い ―正反対の係留点を意識する事で、効果を低減する事が可能(Mussweiler et al., 2000)
引用文献:
社会的認知研究: 脳から文化まで
こ
■ コンストラクト・アクセシビィティ(Construct Accessibility)
さ行
さ
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■ シミュレーションヒューリスティックス(Simulation Heuristics)
関連語: 自動的処理、ヒューリスティックス、代表性ヒューリスティック、係留ヒューリスティック、反実仮想
シナリオを想像する事で結果を推定しようとする事(Kahneman & Tversky, 1982) ―シナリオが実際に生じる可能性は、シミュレーションの容易性に基づいて判断 ―将来の予測や因果推論、あと一歩の所で失敗してしまった場合に用いられる(Kruger et al., 2005) ⇒シミュレーションの例 ……… 反実仮想
シミュレーションを利用する意義
―将来のシミュレーションには、望ましい可能性の実現に向けた計画の手段について考えるものと、希望的観測や幻想に浸るものがある →目標を達成したい場合は、望ましい結果を得るために必要な手段を明確にするシミュレーションを働かせる必要がある(Oettingen et al., 2001) ―シミュレーションは、生起確率を低める方向よりも高める方向に働きやすい(Dunning &Papal, 1989)
引用文献:
社会的認知研究: 脳から文化まで
■ 情動のラベリング理論(情動二要因理論)(Emotional Labeling theory)
関連語: 原因帰属、感情の誤帰属、吊り橋効果、生理的反応、認知
誤帰属効果(Valins, 1966)
―人々の感情状態にはある程度の柔軟性があり、様々に解釈される(Schacter, 1959) ―驚異的な経験によって生じた感情反応が、中立、または脅威的でない原因に再帰属されうることを示唆 →不安やストレスの軽減が可能? ―誤帰属の予測はそれなりに支持された(Ross et al., 1969) ―臨床的応用をもたらすほどの信頼性や効果は見られない →極度の不安・覚醒状態時にはその原因を徹底的に探し出そうと動機づけられる (Maslach, 1979) →覚醒は、心配などのネガティブな原因に帰属されやすい傾向(Marshall & Zimbardo, 1979)
誤帰属が生じるには?
1. 誤帰属される原因が原因らしく見える 2. 明瞭で目立つ原因である 3. 実際の覚醒原因が明白であってはならない 4. 誤帰属される原因は覚醒に対し実際以上にインパクトを持つと本人が信じている事(Olson & Ross, 1988) 5. 誤帰属効果が生じるのは、限られたわずかな感情誘因刺激に対して(Parkinson, 1985) 6. その効果は概して短い(Nisbett & Valins, 1972) 7. 感情体験を理解したいという強い動機やその手段がない事(Zillmann, 1978)
引用文献:
社会的認知研究: 脳から文化まで
■ しろうと理論(Lay Theory)
関連語: 血液型ステレオタイプ、ヒューリスティック、確証バイアス
確固たる根拠がないにもかかわらず、一般の人々が抱いているとされるそれなりに体系だっているように見えるものの捉え方や枠組み
e.g., 血液型性格診断など ―しろうと理論の問題点は、実際に人々の行動に影響を与える点
ファーナムによるしろうと理論と科学的理論の対比(Furnham., 1988)
―科学的理論 1. 整合性があり首尾一貫している 2. 反証可能性に開かれている 3. 要因間の関係についての推論に慎重 ―しろうと理論 1. 整合性が乏しく、首尾一貫していない。相互に矛盾した信念を含むことも 2. 自説を確証する証拠を探しがち → 確証バイアス 3. 原因と結果が混同される ―しろうと理論はヒューリスティックとして有効に働くこともある
引用文献:
社会心理学 (キーワードコレクション)
す
■ スキーマ(Schema)
関連語: ステレオタイプ、スクリプト、意味ネットワーク、フレーム
■ スクリプト(Script)
関連語: 思考のない行動、スキーマ、意味ネットワーク、フレーム
せ
そ
た行
た
■ 代表性ヒューリスティックス(Representative Heuristics)
関連語: 自動的処理、利用可能性ヒューリスティック、係留ヒューリスティック、シミュレーションヒューリスティック
格率判断に用いられる。問題となる対象が代表的なカテゴリーと一致しているかどうかに基づいて判断を下す方法(Tversky & Kahneman, 1982) e.g.,筋骨隆々とした若者はアメフト部員である確率が高い ―格率に影響する関連性以外の要因の見過ごしにも繋がることもある(Kahneman & Tversky, 1973) e.g.,学生があまり住まない地域に居る、筋骨隆々とした若者はアメフト部員でなく土木作業員の可能性 ―格率そのものに対するイメージが影響しやすい e.g.,表ばかりでるコインよりも裏表のようなランダム性のある結果を期待
引用文献:
社会的認知研究: 脳から文化まで
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■ 反実仮想(Counterfactual Thinking)
関連語: シミュレーションヒューリスティック
実際に起こったものとは別の結果についてシミュレーションを行う事 ―何か特別な出来事が経験された場合に生じる事が多い(Kahneman & Miller, 1986) →特別な出来事の場合には、より強い情動反応が生起するため ―「あれさえなければ」というシミュレーションが一般的で「あれさえあれば」というシミュレーションが働く事は少ない(Gleicher et al., 1990) →特別な出来事が起きた時に経験するため、通常の時に特別な出来事とは比較しない(Kahneman & Miller, 1986) ―想像が容易なシナリオは、困難なシナリオよりも生起確率が高く見積もられる(C.A.Anderson & Godfrey, 1987) ―シミュレーションには複数の効用がある(Sanna et al., 2001) →ストレスの緩和効果(S.E.Taylor et al., 1983)、将来の行動のための準備や自己改善への動機づけ(McMullen & Markman, 2000)、 ムード改善方略(Sanna et al., 1999)
引用文献:
社会的認知研究: 脳から文化まで
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■ ヒューリスティックス(Heuristics)
関連語: 自動的処理、利用可能性ヒューリスティック、代表性ヒューリスティック、係留ヒューリスティック、シミュレーションヒューリスティック
複雑な問題解決を簡便な判断ルールに変換するショートカット。認知的負担が小ない(Tversky & Kahneman, 1972 ,1974) ―シミュレーションのように誰もが用いるものと(Tversky & Kahneman, 1972)、その個人に特有のショートカットもある(Monin, 2003) ―正しい判断を約束するものではないが、多くは環境に適切に対応するのに役立つ
いつヒューリスティックを使うか
―たくさんの有効なショートカットがすでに獲得されている時 ―気分が良い時や(Bodenhausen et al., 1994)、怒りを感じている時(Tiedens, 2001) ―重要性の低い課題 ―大きな利益が絡む時、情報が信用できない時(Schul et al., 2004)、責任が重大な場合、失敗した直後や、自らの判断の正確さに疑問を感じる場合 には(Tiedens & Linton,2001)、情報を精査する
ヒューリスティックが誤りを導く条件
情報収集の段階 1. 既存の知識や理論は信頼のおけるものでない 2. 客観的なデータに基づくものではなく、知識に依存したものである事に自覚していない 3. 証拠より論を優先しない(客観的な証拠は異なる結果を示しているのに無視するなど) 標本の抽出 1. 標本からの母集団推定は極端な事例に影響されやすい e.g.,凶悪犯罪者の含まれる集団は、犯罪頻度が高いと推定される(Rothbart et al., 1978) 2. 小さな標本から母集団の様子を推定してしまう時(Nisbett & Ross, 1980) →予測変数側の標本数を大きくすることは予測力を高めるが、目的変数側の標本数は予測力に影響しないと考えてしまう (実際は予測変数の標本数を大きくしても予測力は変わらない)(Kunda & Nisbett, 1988) 3. 標本のゆがみの問題の見過ごし
引用文献:
社会的認知研究: 脳から文化まで
ふ
■ フレーミング効果(Framing Effect)
関連語: プロスペクト理論
意思決定は、どのような枠組みで呈示されるかに左右される(Kahneman & Tversky,1984) ―問題が呈示される枠組みはフレーミングとよばれる ―同じ問題でも、利得と損失に基づいて提示された場合では、決定に違いが生じる(Kahneman & Tversky, 1982) e.g.,利得に基づいた提示はリスクを許容した判断、損失では慎重な判断が促進(Roney et al., 1995) ―予防焦点の人は損失フレームを好み、促進焦点の人は利得フレームを好む(Lee & Aaker, 2004)
引用文献:
社会的認知研究: 脳から文化まで
■ プロスペクト理論(Prospect Theory)
関連語: フレーミング効果、行動意思決定理論、ギャンブラーの誤謬、累積プロスペクト理論
客観的には同じ選択肢であっても、参照点によって主観的な価値が異なる事(Kahneman & Tversky, 1979) ―参照点が高く設定されれば対象の主観的な価値は低くなり、参照点が低く設定されれば対象の主観的な価値は高くなる(Avelson & Levi, 1985) e.g., 損をしていると認識するとリスクをとりやすく、得をしているとリスクを避けやすい →賭けに負け続けている人の方が「次は勝てる」と思って賭け続ける「ギャンブラーの誤謬(Gambler's Fallacy)」を説明 ―客観的な利得(損失)が大きくなるにつれて、主観的な価値の変化は小さくなる e,g., 10$と20$の利得は110$と120$の利得よりも大きい ―利得よりも損失の方に人々は敏感
プロスペクト理論の神経的根拠
―扁桃体を中心とする感情ベースの意思決定がプロスペクト理論に仮定される選好逆転に関与
引用文献:
社会的認知研究: 脳から文化まで
へ
■ 平均への回帰(回帰の誤謬)(Regression to the Mean)
関連語: 前後即因果の誤謬
平均から大きく離れた極端な値が観測されたとしても、次に測定しなおした時には、平均に近い極端でない結果が得られることが多い ―人は極端な情報に基づいて極端な予測をしてしまう傾向がある(Jennings et al., 1972) ―変化の大きい環境では、平均への回帰を認識しない方が適応的な場合もある →変化に敏感過ぎると、変化の小さい環境では、平均への回帰を見過ごしてしまう
引用文献:
社会的認知研究: 脳から文化まで
■ ベースレート情報と個別事例(Baserate Information and Specific Information)
関連語: ヒューリスティック
人々は実験や調査などの結果(ベースレート情報)を無視して、具体的な経験や事例を信頼する傾向がある(Bar-Hillel, 1980) ―信頼性のある情報よりも、イメージしやすい事例の方が受け入れやすい ―ベースレート情報が唯一の情報であった場合にはベースレート情報が利用されやすい(Hamil et al.,1980) ―ベースレート情報と事例との関連性を顕現化する操作や教示が与えられた場合にはベースレート情報が利用されやすい(Ajzen, 1977) ―個別事例から即座にカテゴリー判断を働かせる傾向があるが、ベースレート情報の診断性を見積もる事は容易ではないため、 推論においては個別事例への依存が高まる(GinoSsar & Trope, 1980)
引用文献:
社会的認知研究: 脳から文化まで